蛍光のルアー

ben567

2007年06月07日 00:02

これからはナイターシーズン。

涼しいなかでの釣りが楽しめる。

本来、淡水での釣りには日の出から日没までという暗黙のルールがあるようだ。
遊魚規制にはあまり明記されていないが、原則夜釣りは禁止されている。これは禁止というより物理的に釣りをするのが難しく危険だからやめましょうという意味合いが強いのだろう。

管理釣り場は名前の通り、管理されている釣場だからその例には入らない。

照明を明るくして、夜間でも釣りができるように整備されている。

釣場によってはナイター料金を設定しているようだ。時間は短いが割安の設定になっているで、それも人気の一つになっているのかも。

ブログなどを見ていると、結構ナイターファンが多いようだ。

王禅寺では、真冬でも寒さにもめげず夜遅くまで賑わっているらしい。
行ったことがないので
8時半からの時間帯はボクにとっては遅すぎますね。

朝霞Gでは、ナイターが始まると6時半を過ぎるとフライ池をルアーに公開する。
すぐに反応がニブくなるようだが、開始から15分程度は結構楽しめる。




昔は渓流に、薄暮から日没にかけての30分を狙ってよく出かけた。
河原に座って、タバコでも吸いながらライズを待っていると、待望の水棲昆虫の羽化が始まる。沈黙していた水面が一斉ににぎやかになる。嘘のように、ライズが至るところで始まるのだ。

そんなに魚がいたの?

毛鉤を投げるとすかさずライズしてくる。合わせ損なっても、次の魚が同じ毛鉤にアタックしてくる。立ちこんでいる股のからもライズがある。
こんな絵に描いたようなパラダイスが出現する僥倖は10年に一度程度。
これに遭遇すると、もう止められなくなります。確実に。

懲りずに天国を期待するのですが、いつもはポッポツ程度。

毛鉤が見えなくなるのが、終了の合図。ライトをたよりに真っ暗な隘路を帰途につきます。ライトがなければ自分の手も見えないほどの漆黒。仲間とハグレないように、大きな声で歌を歌いたくなる一瞬。この濃密な時間が好きでした。

いまは管理釣り場で、手軽に天国が味わえる・・・・・、
ルアーを結ぶだけでも一苦労なくらい周囲が真っ暗なのに、魚たちはよくルアーが見えているなといつも感心する。
それは夜中の空は結構明るいからだ。月が出ていると相当な明るさだ。新聞の見出しなら読めるかもしれない。

普段の生活の中では空を真下から見上げることはないから、馴染みがないけれど。ひらけたところで寝っ転がっていちど夜空を見上げてみなさい。きれいな眺めです。

ナイターといえば、蛍光のルアーの出番。


蛍光のルアーは紫外線ライトをあてると、ボーッと緑色の光を発する。
これは紫外線が反射、散乱しているのではなく、蛍光塗料(fluorescent dyi)自体から出ている光。いわゆる蛍光というヤツ。最近ではグローと呼ぶようである。

光の当たっていない色素は「基底状態」という安定した状態を保っている。光が当たって光のエネルギーを吸収すると「励起状態」というエネルギーが高く不安定になる。

エネルー保存の法則から、エネルギーの総和は常に一定だから、色素はエネルギーを放出しようとする。通常は運動エネルギーなどに形を変えて放出されるが、蛍光塗料は緑の光つまり蛍光を発して、エネルギーを放出して「基底状態」に戻ろうとする。

これが蛍光の基本的な原理。

最近では蓄光と呼ばれるものもあって、蛍光と蓄光の違いは不明瞭だが、どちらも蛍光を発するには違いない。
蓄光は燐光とも呼ばれ、発光する時間が持続するタイプのもというのが定説だが、正確にはスピン多重度が違うのが蓄光らしい。よくわかりませんが。

蛍光が持続するのが蓄光と覚えておけば、ほぼ間違いはないだろう。

ブラックライトを照らしてやると、ルアー全体が怪しく光る。
面白いのはルアーを指で隠してライトを当てると指の跡が光らない。丁寧に全体をなめるように光を当てないと指の跡が残ることになる。これを活用してライトを当てると、半分だけ光らせるとか表側だけ光らせるなどさまざまなパターンが作れる。ライトの当て方次第でローテーションが可能というわけだ。

でもグローのルアーは魚たちの目にはどう映っているのだろう。暗い水の中でぼーっと光っている姿は何を連想してアタックしてくるのだろう。

夜空は結構明るいから、グローでなくてもそこそこ反応がある。
ただ全体の光量が少ないので、色はほとんどシルエット化されるはずだから、カラー選択というよりは、はっきりした黒系か、明度の高い白系がいいハズ。あとはチャトリュースや蛍光オレンジなど蛍光タイプだろう。このタイプはライトを当てても光らないので念のため。

閑話休題
先日歯医者にいったら、面白い光景を目にした。ドクターがブラックライトを持って口の中を照らしている。それも弁当箱より大きなライトを使って。タイマーが付いているらしく、時間が来るとベルが鳴る。

多分紫外線硬化タイプの接着剤を使っていると思うのだが。

歯医者には面白そうな道具が一杯ある。あの恐怖の元凶のような道具はリュータそのものだし。トルクの高いドリルのようなものまである。特に接着剤は色々なタイプのものを使い分けているようだ。口を開けているので詳しくは聞くことができないので謎は多いが、いずれにしても面白そうである。歯医者はドクターといよりは、職人ですね。

グローには、滑稽さがある。キャストの度にルアーにライトを照らしている光景は、小学校の運動会のようではありませんか。

なにもこんな遅い時間まで、釣りをしなくても良いじゃないかと思うのだが、人間の欲望の深さにはきりがない。
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